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市況情報

鮮魚・冷凍魚・加工水産物の市況:平成27年 3月  市況情報

鮮魚

3月にしては時化の日が多く、天然魚は入荷が不安定でした。今年のいかなごは、予想通りの不漁で、浜値も高くしかも、あっという間にサイズが大きくなってしまい、なかなか難しい年となりました。全般に、鍋物から刺身商材へと売場構成も変わり、養殖の真鯛、カンパチ、マグロなどの刺身商材が良く売れましたが、鰤は天然ものが多く入荷し、養殖物はいまいち人気が無いようでした。来月は、刺身商材や、この時期一番美味しい二枚貝のアサリやハマグリを中心に入荷が増える見込みです。

冷凍魚

北方凍魚は、アイスランド赤魚の減枠、価格高騰などの要因から国内搬入量は減少し、DAPに代替が進んでいます。DAP物も、ヨーロッパにつられて価格は強いものの、まだアイスランド物よりは安いために動きがあります。カラスカレイも価格高騰から搬入少なく、脂のある安価な白身の魚がなかなかない状況です。南方凍魚も、ナイルパーチやメルルーサは、相変わらず搬入少なく、ホキ、シルバーも、先物高と在庫の安値玉が完売、消化されてきたことから、価格が強くなってきました。来月も、同様の状況が続くと予想します。

加工水産物

開き物は、鯵、秋刀魚、ほっけなど主要魚種の原料がどれも少なく、価格強く、入荷少ない為、販売が難しい状況です。この先も原料事情の好転はすぐには期待できない為、厳しい状況が続くでしょう。煉製品は、秋冬物から春夏物への切替の時期になりましたが、原料のすり身が、東南アジア産の廉価品の搬入減やDAP物の円安による価格上昇の関係から、秋冬物に続いて今回も値上げをお願いする状況です。鮭鱒は、年末から下がりだしたチリ産銀鮭が、年度替りをはさんで小康状態になっていますが、久々に量販の下段商材として復活できそうです。拡販をお願いします。

主要品目の市況

鮪(生・冷凍)

生鮮関係は、天然物はパラオ、マーシャル、インドネシア産のキハダマグロ中心の入荷で、入荷順調、相場保合でした。養殖物は、長崎産の50~70kgサイズのホンマグロ中心の入荷で、入荷順調、相場保合でした。冷凍物は、大西洋で漁獲されたキハダマグロの25kgUPサイズ中心の入荷で、入荷やや少なく、相場強含みでした。来月は、今月同様の搬入、相場を見込んでいますが、月の後半よりオーストラリアより、養殖のインドマグロの搬入が始まり、若干入荷予定もあります。

真鯛(天然、養殖)

天然物は、兵庫、徳島、和歌山産中心の入荷で、入荷順調、相場やや弱含みでした。養殖物は、愛媛、香川産中心の入荷で、入荷やや少なく、相場強含みでした。昨年からの単価安の影響で 養殖する稚魚の量を絞った関係で、2年物の1.8kg~2.5kgサイズを中心に入荷が少なくなってきました。来月は、天然物は産卵回遊(のっこみ)の最盛期を迎えることから入荷多く、相場弱く、養殖物の入荷は少なめになりますが、天然物の入荷次第では、なかなか相場が上がらないかもしれません。

鯵、鯖

真鯖は、千葉、静岡、三重産中心の入荷でした。3月に入り、真鯖も抱卵し始め、脂の乗りも悪くなってきました。そのため、価格はこなれてきていて、量販中心に中小型サイズの引き合いがありました。鯵は、各地端境期で入荷少なかった。来月は、鯖は、真鯖もゴマ鯖も抱卵、抱卵後で品質悪く、入荷順調、相場弱含みに、鯵は入荷少なめ~順調、相場保合と予想します。

スルメイカ・剣先いか

剣先イカは、各地漁が殆ど無く、入荷も殆どありませんでした。スルメイカは、東北、新潟方面の漁が終わり、秋冬発生群の山口、長崎方面からの入荷が中心となりました。入荷少なく、相場強かった。来月は、剣先イカは入荷少なめ、相場強い、スルメイカは新子の漁が始まると予想し、入荷やや少なめ、相場は小型になる為、弱含みと予想します。

貝類・うに

真牡蠣のシーズンは、生食、加熱用の時期は終了し、これから加工用の冷凍の生産に移ってきます。入れ替わりに、夏が旬の岩かきの入荷が始まりました。浅利は、この時期が一番身が太っていて美味な時期になってきています。ウニは、ロシア、北海道産とも年末以降冬場の悪天候の影響などで入荷少なかったが、これから天気が安定してくるため弱含んできました。来月も、全体的には入荷順調、相場保合と予想します。

冷凍カレイ

年末以来、搬入少なく、価格高騰のまま推移しています。カラスカレイは各産地とも端境期の為、原料、製品とも搬入は殆どありません。新漁が始まって、新物がスタートしても、各消費地とも在庫少ない為、引き合いがあり、価格が更に高騰する可能性があります。今までに販売した記憶のない価格での販売となる可能性があり、実際に販売先が消化できるのかの確認が必要です。DAP物のカレイは円安分の価格転嫁は必要なものの、在庫、新物とも価格は保合で推移しています。来月も、カラスカレイは強含み、そのほかのカレイは保合で推移すると予想します。

冷凍鯖、鰆

サワラ(サゴシ)は、昨年の秋漁の商品中心の荷動きになり、価格が上がったことや鮮魚のサゴシと競合する為、この先の販売量がどの程度になるか見極める必要があるでしょう。鯖は、ノルウェー産は新物が各社搬入され、小型サイズ中心に販売しています。一方昨年はノルウェーよりお買い得感のあった国産鯖ですが、今シーズンは不漁なまま終漁の見込みで、各社新物は価格強く、量も少なめで今年の秋以降の新漁までは高値で推移するでしょう。来月も今月同様と予想します。

冷凍えび

養殖物は、国内はGWやイベント用にと需要期を迎えますが、在庫の海老の価格が売りにくい価格の為、動きは鈍い状況です。一部大型サイズが欠品しそうなほかは、価格的に売りやすい小型サイズから順番に消化されていく状況です。天然海老は、産地で買い負けの状況が続き、漁獲も少なかった為在庫、搬入とも少ない状況です。生食海老は、ボタン、南蛮海老は年末から価格が下がっており、多少売りやすくなっています。来月も、養殖、天然、生食とも今月同様に推移すると予想します。

ちりめん・煮干、丸干

いかなごは、漁獲少ないままの終漁となり、加工品も含めて低調な荷動きになっています。産地はこれから始まるちりめん漁の準備と、ここのところ不漁続きだった為、豊漁を期待しているところです。輸入ちりめんは、在庫品がkg2000円前後で販売されています。煮干は、長崎、愛媛産の大羽~小羽サイズの入荷があり、kg1000~1200円中心の価格で取引されています。

汐鮭、汐鯖

汐鯖については、ノルウェー産は8kg18尾、20尾サイズ中心の販売で、荷動き順調です。大型サイズは原料少なく、入荷も少ないです。国産汐鯖は、不漁の為原料少なく、価格も強いため昨年に比べて荷動きは大幅に悪い状況です。チリ産銀鮭は、先物安感と国内の在庫が多いことから、年明け以降相場弱い状況でしたが、ここにきて様子見の保合になっています。トラウトは、昨年までの高値疲れやチリ銀の相場の影響でやや弱含み、紅鮭は小型サイズのフィーレにしにくいサイズは在庫有り、相場保合ですが大型のフィーレ加工向けの原料は、引き合い強く相場強含みです。

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