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市況情報

鮮魚・冷凍魚・加工水産物の市況:平成27年 5月  市況情報

鮮魚

今月は、全般的には需要期であったはずのあのですが、養殖真鯛やマグロの値上げや、天然物では、スルメイカなどが昨年より高値で推移し、売れ行きにブレーキをかける形になりました。そのため、全体的に売れ行きが鈍り、入荷量も減少していきました。来月は、鱧、うに、ホンマグロなどの夏商材が本格的に入荷してくる見込みです。ただ、養殖真鯛などの以前の価格が原因で生産調整に入っている商材は、しばらく値上げが続きそうです。

冷凍魚

サワラ、サゴシは新物価格が定着してきましたが、漁獲が少なかった為在庫が少ないことや、ここ最近の円安も手伝い、価格はもう一段上がる可能性があります。その他の凍魚も、全般的に円安などの影響で高値状態が続いています。

加工水産物

全般的に商品の動きが悪く、ゴールデンウイークの荷動きもいまいちで在庫がだぶつき気味なため、本格的な夏物商材への切替が遅れているようです。また、各種原料も国産、輸入品を問わずショート気味の商品が多く、夏から秋にかけてまた値上ラッシュがあると思われます。煉製品も、北米、東南アジア~インド産のすり身が昨年よりも値上がり、値上がりと数量減のダブルパンチになっており、秋冬物への影響が懸念されます。

主要品目の市況

鮪(生・冷凍)

生鮮物は、パラオ、インドネシア産の南方系のメバチマグロ中心の入荷で、入荷順調、相場保合でした。冷凍物は、大西洋、インド洋産キハダマグロ中心の入荷で、前半はゴールデンウイークの影響で相場強含み、後半はその反動で弱含みとなりました。6月以降は、養殖本マグロの出荷が無い業者が増える為、養殖本マグロは、kg数百円価格が上昇するでしょう。また、日本海側の旋網物の本マグロなども入荷があると思われます。

真鯛(天然・養殖)

養殖真鯛は、昨年来の安値の影響で、生産者の生産意欲が薄まり、池入れ量が減少したため、現在は1.8kg~2kgぐらいのサイズの真鯛が品薄で、浜値は上昇していますが、消費地の相場は低調で、価格はもみ合いです。来月以降、しばらくは浜値が値上げ先行で消費地がじわじわ追いつく展開となり、長期的にはしばらく上げ相場と予想します。天然真鯛は、のっこみも終盤になり、漁獲量は減ってきましたが、だんだん身質はよくなるでしょう。来月は入荷少なめ、相場保合~やや強含みと予想します。

鯵、鯖

真鯖は、近場の産地のものが産卵期に入ってきた為、脂乗りが悪く、売れ行き、相場ともよくない状況です。この時期からは、ごま鯖が脂乗りがよくなってきますので、拡販をお願いします。鯵は、真鯵は四国各地からの入荷で、入荷やや少なめ、相場保合~やや弱含みでした。産卵期のため脂乗り薄く、人気もいまいちでした。丸アジは、各地漁が少なく、殆ど入荷が有りませんでした。

スルメイカ・剣先いか

スルメイカは、九州北部、山口県産中心の入荷で、サイズは小さめの25入~30入中心の入荷で、入荷やや少なめ相場強含みでした。例年より高めの価格帯で推移しました。剣先いかは、例年より1ヶ月早く漁が纏まり始めました。九州北部、山口県産中心の入荷で、サイズは3段中心、入荷順調、相場やや弱含みでした。

貝類・うに

これから旬を迎える岩かきは、各地より入荷が始まりました。入荷順調、相場弱含みで推移しました。浅利は、4月は順調でしたが、今月は各地漁は少なかったようで、入荷少なめ、相場保合でした。うには、淡路産の紫うには終漁し、来月後半からは赤うにの漁が始まりますが、相場は強含みの予想です。ロシア産は入荷順調、相場保合でした。北海道各地もこれから漁が始まり入荷があると思われます。

冷凍カレイ

カラスカレイは、新物待ちとなっていて、これからの漁獲に期待したいところですが、円安や漁獲量減少の影響で更に高値の商品になりそうな感じです。国内在庫も薄めですが、値上げの影響で荷動きは悪くなりつつあります。DAPのカレイは円安分は値上げしたものの、カラスガレイに比べたら状況は穏やかですが、黄金カレイなど昨年比漁獲半減の魚種もあり、注意が必要でしょう。

冷凍鯖、鰆

鯖は、国内産は不漁のまま終漁し、今年の国産鯖は大幅にショートした状態です。一方のノルウェー産は、300/500サイズ中心に、ある程度潤沢にありますが、600gUPサイズは今年も少ないです。一方、鰆は、秋物原料が少なく、高値で推移しています。春漁の鰆は脂が少なく人気がないため、しばらくこの状態が続くと予想します。また、その中でも特定サイズのフィーレにショート感があるようです。来月も今月同様と予想します。

冷凍えび

養殖BTは、昨年物のオファーがインドから出ていることや、減産とはいえ、これから盛漁期を迎えることから、昨年の行き過ぎの価格が落ち着くのを待つ為低調な需要になっています。内貨は、一部荷動きの悪い在庫を放出してポジションを
軽くしているようです。バナメイは早い産地から出荷が始まりましたが、大口の産地の状況待ちです。後はEMSの影響から産地から消費地へなった中国の動向次第でしょう。天然物は、アルゼンチン赤エビはこの時期恒例の高値推移、ロシア南蛮は、価格が下がったことから小型サイズ中心に荷動きあり、カナダボタンはこれからです。

ちりめん・煮干、丸干

国産ちりめんの水揚げは、各地低調なのと、在庫が一掃された為、高値で一部買い付ける業者がいるため、なかなか出回りが良く無い状況でしたが、5月後半から淡路、伊勢湾で水揚げが纏まりだし、kg2500円前後中心の価格で入荷しています。煮干は長崎、愛媛産中心の入荷で、kg1200前後の相場で推移しています。来月は、どちらも、入荷やや順調、相場保合~やや弱含みと予想します。

汐鮭、汐鯖

紅鮭は、本ちゃんはロシアとの交渉の結果待ちですが、アメリカ産は豊漁予想な為、ポジション整理が始まりました。チリ銀は、火山の噴火の影響がありそうですが、現状は委託玉が多く価格は方向性が定まりません。また、三陸の銀鮭が安値発進となり、売場で競合しているようです。汐鯖は、国産は14尾中心で、それより小型が少なく、ノルウェー産は18尾中心で、16尾より大型サイズは原料が少なく商品も殆ど出てきません。来月は新漁次第の相場でしょう。

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