ホーム > 統計室:市況情報 > 鮮魚・冷凍魚・加工水産物の市況:平成26年 10月  市況情報

市況情報

鮮魚・冷凍魚・加工水産物の市況:平成26年 10月  市況情報

鮮魚

今月は、養殖物は全般的に順調な入荷でしたが、天然物は台風や週末ごとの悪天候などがあり、入荷数量に大きく影響が出ました。売れ行きも週末の悪天候が影響し、若干弱含みでした。来月は、鰤や牡蠣、トラフグなどの冬物商材が中心に入荷が増えてくる見込みです。

冷凍魚

輸入物は、為替の急激な円安の影響で、コスト増が激しく、非常に商売がしにくい状況となっています。産地での買い負けや漁獲量の減少、高止まりだった燃料代、産地の現地消費の拡大など、輸入品は豊漁のノルウェー鯖ですら、円安によるコスト増で、見込んでいたコスト減が思っていたほどにはならず、価格の再度の修正が始まっています。
12月の分までの必要な商材は、名義変更するなどし、確保しなければ販売するものが無いという状況になる可能性もあります。

加工水産物

パック詰めなどの加工品も、原料の高騰、円安、資材、包材の経費アップ、そして運賃、保管賃、人件費の値上げといくつもの悪条件が重なり、値上げ、値上げの連続になってきています。年末商戦越すまでは、この状態がしばらく続くと予想します。

主要品目の市況

鮪(生・冷凍)

脂物については、生鮮養殖本鮪中心の入荷で、入荷順調、相場保合でした。赤身は、生鮮では目鉢鮪中心の入荷で、パラオ、インドネシア産中心の入荷でした。入荷は少なく、相場は強含みの相場でした。冷凍は黄肌鮪中心の小型サイズが中心で入荷があり、入荷少なめ、相場は強含みでした。台風の影響や、燃料代の問題で出漁を見合わせている船が多く、漁獲量が減少しているようです。来月は、年末を控えて、各品目とも調整が入る為、入荷少なめ、相場やや強含みで推移すると予想します。

真鯛(天然、養殖)

養殖物は、愛媛、香川産中心の入荷で、各サイズとも、入荷順調、相場やや弱含みでした。価格は安値圏にあり、売りやすい状況なのですが、悪天候などの影響か、売れ行き芳しくなく市況は相場以上に弱含みになっています。天然物は、端境期の為入荷少なく、相場保合からやや強含みです。来月は、養殖物は入荷順調、相場保合、天然物は、入荷少なめ、相場保合~やや強含みと予想します。

鯵、鯖

真鯵は、四国各地や三重県産中心の入荷で、入荷順調相場保合でした。大型サイズの良品は刺身向けに相場強含みで推移し、脂乗りの悪い黒尾系のものは焼物向けで相場弱含みでした。丸鯵は入荷少なめ、価格は保合でした。焼物向けが多く、サンマが少なめだった為に、代替として価格の安いものの人気が高かったようです。真鯖は東北方面中心の入荷で、数量は少なく価格は強かった。ゴマ鯖は三重、四国方面の入荷で、入荷順調相場保合でした。来月は鯵は入荷順調、相場保合、鯖は入荷少なめ~順調、相場保合~やや強含みと予想します。

スルメイカ、剣先イカ

スルメイカは北海道、青森産中心の入荷で、入荷順調、相場保合~やや強含みでした。サイズが4kg/20入中心の入荷でした。剣先イカは福岡、山口産中心の入荷で、前半は台風の影響で入荷殆どなく、後半は多少入荷してきました。サイズは4kg/22~24入中心で、入荷少なめ、相場強含みでした。来月は、スルメは産地が三陸、鳥取、石川方面に下ってきて、入荷順調、相場保合、剣先イカは、入荷少なめ、相場強含み~強くなると予想します。

貝類、うに

貝類は、牡蠣中心の入荷で、入荷順調、相場は気温が高めだった為か浜値はそこそこなのですが、引き合いは弱かった。ウニは北海道、ロシア物中心の入荷で、入荷少なく相場強いままでした。来月は、牡蠣は各産地とも出荷体制が整い、本格的に始まります。

冷凍カレイ

主力のカラスカレイは、ここのところの円安と、海外勢の高値攻勢で買い負けが続いていて、搬入量は激減しております。国内搬入量は限定されていて、また内貨の在庫も、だんだん減ってきているはずです。商品によっては品薄のものもありますので、在庫、価格を随時確認しつつの販売になります。

冷凍鯖、鰆

鯖は、ノルウェー産は、豊漁だったものの円安と、サイズの小型化が顕著なのと、前半戦の品物の品質に問題があったため、搬入が遅れてます。また、国産鯖も漁期が遅れ気味で、どちらも主要サイズは入荷待ち、大型サイズはノルウェー産は品薄になりました。来月も、同様の展開が見込まれます。鰆も秋漁の着漁が遅れていて、新物待ちになっています。

冷凍えび

養殖のBT、バナメイは品薄のまま、おまけにオースト有頭タイガーも秋漁物は、現地消費増加と不漁で、高値圏に張り付いたままで搬入量は少なめの展開になりました。天然エビも全般的に不漁なため、売る玉が無い状況です。年末以降も、春先までこの状況が続く(冬場は水揚げが殆ど無い為)と考えれますので、安い玉があれば今が買い時でしょう。生食えびは、ボタンエビはJ(3L)以外は価格が軟調に、アルゼンチン、ロシア南蛮はやや強含みになりました。

ちりめん、煮干、丸干

国産のちりめんは、漁も終わって在庫も一巡し、フリーの在庫が少ない為、インドネシア産などの海外産のちりめんに切り替えての販売があるようです。煮干は引き続き愛媛、香川産中心の入荷で、入荷順調、相場保合で推移しています。丸干は、鹿児島県などで水揚げがありましたが、全般的に品質が悪く、売りにくい商品が多かった。

汐鮭、汐鯖

汐鯖は、ノルウェー産豊漁の情報で、価格を下げて在庫を一掃する動きもありましたが、大型サイズ不調なのと、意外とコストが円安で下がらないのが分かり、廉売をやめて相場は持ち直してきました。来月は相場保合、ノルウェーも国産も新物入荷待ちの状況です。汐鮭は、紅鮭はロシア産は若干の不漁、アメリカ産は小型サイズ中心に豊漁、カナダも豊漁でしたが、ロシアの不漁の影響で国産の”本ちゃん”汐紅鮭は、一時の安値から相場は戻ってきました。チリ銀のロシアの禁輸対抗措置による買い付けの影響で相場が弱含みから強含みに反転した為、売れ行きは価格差と紅鮭の値ごろ感次第になってきています。

ページトップへ