野菜・果実の市況:平成22年8月 市況情報
(入荷動向) 8月の主要品目(きゅうり・トマト・キャベツ)は、高冷地及び夏秋産地の最盛期となったが、7月の長雨、曇天、8月からの高温、かんばつにより入荷が少なかったが、前年に比べ100%(入荷量1,518t)であった。品目別には、大根・キャベツ・白ねぎ・レタス・きゅうり・なす・しめじ・なんきんは前年を上回った。また、白菜・青ねぎ・にら・トマト・ピーマン・生しい茸・松茸・洋にんじん・さつま芋・じゃが芋・玉ねぎは前年を下回った。
(価格動向)総体的に入荷は前年並みだったが、近年にない高温で推移したため、消費が伸びず前年の高値からすれば90%(kg当り214円)と1割減の安値で推移した。品目別には、白菜・ほうれん草・青ねぎ・にら・ピーマン・洋にんじん・さつま芋は前年を上回った。また、大根・白ねぎ・キャベツ・レタス・きゅうり・なす・生しい茸・しめじ・なんきん・玉ねぎ・じゃが芋は前年を下回った。なお、トマト・松茸はほぼ前年並みで推移した。従って、売上高は前年同期に比べ90%と1割減となった。
(主要品目及び入荷動向)本年産の夏果実は春先の低温、真夏の猛暑という異常気象の影響を受け、生育に大きな乱れが生じた。幸水・豊水・20世紀の梨類、さらに桃・いちじくなどは生育遅れのため2割~3割減の入荷だった。りんごは、前年産の在庫が少ない上に新物が猛暑のため着色が進まず入荷が半減した。ハウスみかんも同様に着色不良のため4割減だった。ぶどう類は品種ごとにバラツキはあるもののかろうじて全体で前年並みを確保した。スイカは高単価を背景に前進出荷され、前年を大きく上回った。輸入品は、バナナ・キーウィが前年を上回ったものの柑橘類は前年を大きく下回った。
(価格及び消費動向)果実全体の入荷減、8月の盆需要もあり総じて高値で推移した。中心となるスイカは前年に比べ約35%の高値。桃・梨類においても1割から2割高であった。入荷が半減となったりんごは、約4割高となった。前年並みの入荷となったぶどう類も昨年の単価を上回り、ほぼ全品目で昨年の単価を上回った。輸入品は、猛暑の中バナナが前年並みと健闘した。キーウィは前年を2割下回り、柑橘類は2割上回った。高温障害の影響もあったが、食味は総じてよかった。この様な状況の中、総体入荷量は549tで前年に比べ79%、kg単価は287円で前年に比べ113%、売上高は前年に比べ90%で販売終了した。
主要品目の市況
きゅうり |
主力3県の他に山形県・茨城県・長野県産の販売だった。入荷は前年に比べ116%(入荷量118t)と増加したが、価格的には前年に比べ78%(kg当り180円)と安値販売だった。 |
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トマト |
主力3県の他に奈良県・熊本県産の販売だった。入荷は高温の影響を受け前年に比べ76%(入荷量31t)と大幅に減少したが、価格的には前年に比べ99%(kg当り344円)と前年並みの高値で終了した。 |
キャベツ |
主力3県の他に茨城県産の販売だった。入荷は前年に比べ147%(入荷量303t)と大幅に増加したが、価格的には前年に比べ91%(kg当り82円)と前年の高値から比べれば安値で推移した。 |
スイカ |
前半は石川県産、後半は山形県産中心の入荷だった。過去最高と言われる猛暑の中、スイカの需要は非常に強く、入荷増にかかわらず、単価も3割以上上回り好調な販売だった。ただ、台風の影響による局地的な大雨で一部の産地ではスイカの腐敗が多発した。 |