野菜・果実の市況:平成22年11月 市況情報
(入荷動向) 11月の主要品目(大根・白菜・キャベツ)は、8月~9月にかけて高温の影響を受け、入荷量は前年に比べ89%(入荷量1,564t)と1割減少した。品目別には、大根・ほうれん草・にら・きゅうり・なす・ピーマン・生しい茸・しめじ・洋にんじん・じゃが芋・長芋・玉ねぎなどは前年を上回った。しかし、白菜・キャベツ・白ねぎ・青ねぎ・ブロッコリー・トマト・えのき茸・さつま芋は前年を下回った。
(価格動向)総体的に天候不良により入荷は1割減少したが、価格は前年に比べ147%(kg当り245円)と近年にない高値で推移した。品目別には、生しい茸・えのき茸・なんきん・長芋以外すべて前年を大幅に上回った。
なお、なすは、ほぼ前年並みで推移した。
従って、売上高は前年に比べ130%と好調な販売で終了した。
(入荷及び産地動向)11月になっても果実の入荷は増えず主要品目すべて前年を下回った。みかんは、裏年のため前年の8割の入荷。りんごも小玉や生育不良のため7割の入荷。柿は、10月の半作からは大きく回復したが8割の入荷だった。いちごの定植期は昨年並みだったが、10月以降の曇天で1週間から10日遅れ、6割の入荷だった。アールスメロンは昨年の半分。キーウィは97%でほぼ昨年並みだった。輸入品は、バナナが昨年に比べ122%(入荷量87t)と健闘した。柑橘類はレモンこそ伸びたが、グレープ・オレンジは大きく落ち込んだ。
(価格及び消費動向)主要品目すべてが前年を上回る単価で販売されたが、景気の先行不安から消費は活発とは言いがたく決してスムーズな販売ではなかった。そのような中、柿は入荷が回復しても前年に比べ190%(kg当り270円)と高い水準で終了した。品質も安定し食味も良かった。りんごは、サンふじの入荷が始まった事もあり前年の3割の高値。みかんも各産地が早生種に切り替わり品質も良く、約4割の高値で終了した。いちごは、品薄感から2割の高値。アールスメロン・キーウィも前年の約2~3割の高値で終了した。輸入品は、バナナの入荷が増加したが前年に比べ113%(kg当り125円)となり、国産果実が少ない事も影響し、ほぼ全品目で昨年単価を上回った。
その様な状況の中、総体入荷量は前年に比べ76%(入荷量524t)、kg単価は前年に比べ138%(kg当り240円)、売上高は前年に比べ105%で販売を終了した。
主要品目の市況
大 根 |
主力3県の他に岡山・茨城県産の販売だった。入荷は昨年に比べ108%(入荷量175t)と若干増加したが、価格は前年に比べ210%(kg当り109円)と近年にない高値で終了した。 |
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白 菜 |
主力3県の他に、和歌山・福岡県産の販売だった。入荷は作柄不良により前年に比べ38%(入荷量87t)と大幅に減少したが、価格は大根同様前年に比べ261%(kg当り99円)と近年にない大幅な高値で推移した。 |
キャベツ |
主力3県の他に兵庫・福岡・鹿児島県産の販売だった。入荷は前年に比べ41%(入荷量86t)と白菜同様大幅な減少だったが、価格は前年に比べ390%(kg当り152円)と近年にない高値で終了した。 |
みかん |
今年は裏年でもあり、入荷量は少なく前年に比べ81%(入荷量148t)、単価は前年に比べ139%(kg当り185円)で終了した。品質、食味はまずまずだったが、価格が高かった事により販売は決してスムーズではなかった。 |