野菜・果実の市況:平成23年 10月 市況情報
(入荷動向) 10月の主要品目(大根・白菜・キャベツ)は、9月の台風、長雨の影響から当市場の主力産地の被害が大きく、回復の遅れから他市場と比べ入荷は前年に比べ90%(入荷量1,389t)と減少した。品目別には、大根・キャベツ・白ねぎ・レタス・玉ねぎなどは前年を上回った。また、れんこん・白菜・ほうれん草・にら・青ねぎ・ブロッコリー・なんきん・なす・ピーマン・さつま芋・じゃが芋・生しいたけなどは前年を下回った。
(価格動向)上旬は数量が少なかった影響から価格高だったが、中旬以降は入荷量の徐々に回復し、高値反動から価格は前年に比べ92%(kg当り223円)と安値になった。品目別には、れんこん・白菜・青ねぎ・にら・きゅうり・なんきん・なす・ピーマン・さつま芋・生しいたけなどは高値販売となった。また、大根・にんじん・キャベツ・白ねぎ・レタス・トマト・じゃが芋・玉ねぎ・えのき茸などは前年を下回った。
従って、売上高は前年に比べ83%とかなり厳しい販売結果となった。
(入荷及び産地状況)主要品目のみかんは表年であったが収穫直前の台風被害にあい微増にとどまった。りんごは全国的に不作傾向で集荷努力をしたものの1割減だった。柿においては昨年が大不作だったため、あま柿は前年の180%、しぶ柿が150%と回復した。巨峰、ピオーネなどのぶどう類は昨年の半分、いちじくは台風被害のため半減した。梨は前年並みで、アールスメロンは1割上回った。輸入品はバナナが先月同様TPPの影響で
3割減、キーウィは前年並み、柑橘類はグレープフルーツを筆頭に大きく入荷を増やした。
(価格及び消費動向)果物においては「価格の高い物は売れない」というような状況が続いており、りんごだけが数量減の中高値で販売されていたが、下旬以降数量の回復とともに価格は下がっていった。入荷増を背景にみかんは1割安、柿は2~3割安となったがぶどう類、いちじくは入荷が半減したにもかかわらず単価はかろうじて前年並み、梨は赤梨が前年並みで青梨が3割以上も安かった。アールスメロンも1割安だった。輸入品はバナナが1割高かったものの柑橘は入荷増もありグレープフルーツの4割安を筆頭にすべて安値だった。
このような状況の中、総体入荷量は575tで前年に比べ111%、売上高は前年に比べ93%、kg単価は211円で前年に比べ83%で終了した。
主要品目の市況
大 根 |
主力3県(北海道・青森県・茨城県)の他に石川・岡山・山形県産の販売だった。生育が順調な事から入荷は前年に比べ123%(入荷量118t)の販売だった。価格的には昨年が異常気象の影響で高値だったが、今年の価格は前年に比べ91%(kg当り105円)と平年並みの価格となった。 |
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白 菜 |
主力3県(長野県・茨城県・愛知県)の販売となった。9月の長雨の影響を受け作柄不良となり、入荷は前年に比べ43%(入荷量40t)と近年にない大幅減となった。上旬までは絶対数量が少なかった事から、価格は前年に比べ110%(kg当り102円)と高騰した。 |
キャベツ |
主力3県(群馬県・茨城県・長野県)の他に、愛知・岡山県産の販売だった。生育が順調な事から入荷は前年に比べ109%(入荷量129t)の販売だった。価格的には、昨年が異常気象の影響で高値だったが、本年は前年に比べ82%(kg当り89円)と平年並みの価格で終了した。 |
みかん |
本年は表年という事もあり入荷増が期待されたが、生育段階での摘果の徹底及び高温による生理落果の発生もあり前年に比べ104%の約148tと微増だった。食味品質においても降雨量が多く、玉が肥大したため評価は得られず前年に比べ89%のkg単価149円と低迷した |