鮮魚・冷凍魚・加工水産物の市況:平成26年 7月 市況情報
鮮魚全般として、入荷は順調で数量もまとまり、価格も大きく上下することなく相場は保合で推移した。また、季節商材の鱧や剣先イカも順調に入荷し、価格は堅調な相場で推移した。
来月は、盆需要があるため、前半の価格はやや強含みで推移し、盆明けは需要が急落するため、相場は弱含みになると予想されます。
不漁による影響で、全般的に強含みな相場になっている。特に、輸入枠や漁獲枠の減少の問題を抱えるズワイガニ、タラバガニやアイスランド産他の漁獲が昨年の半分以下で終漁し、輸入量が確実に昨年割れになりつつある赤魚、カラスガレイなどは、昨年より高値で推移しており、これから大幅な値上げが待っている状況である。一方、大幅増枠の北欧サバは、昨年の高値から一転すると思われるが、今のところ日本が買い付けるような品質や脂乗りの魚でないため、新漁が始まるまで様子見になると思われます。
冷凍魚の相場高の影響で、加工原料の相場も高騰し、製品も値上げラッシュが続いている。商品によっては、製品が製造できずに終売になるほど、原料状況の厳しい状況が続いている。一方、漁獲の多かった紅鮭などは昨年より価格が安くなってきているため、各方面で拡販が見込めます。
来月以降、ウクライナ情勢の影響で、商品によってはロシア向けの積み出しが出来ず、日本に振り替えるなどの影響が出ると、相場が急転する可能性もあり、状況を注視する必要がありそうです。米国産やノルウェー産の鮭鱒やイクラ、北欧のサバは影響を受けると予想されます。
主要品目の市況
マグロ(生・冷凍) |
7月は、生鮮関係はキハダ、メバチとも輸入物のパラオ、グアム、インドネシア産中心の入荷で、入荷量、価格とも保合で推移した。冷凍物はキハダ中心で、静岡、太平洋、インド洋産の入荷で、入荷順調、相場はやや強含みで推移した。 |
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真タイ(天然・養殖) |
全般的には、入荷量が減少し、相場は強含みの市況だった。 |
サバ・アジ |
真アジは、四国、大分方面中心の入荷で、1尾400g前後の大型から中型サイズは入荷順調、相場は強含みで推移したが、1尾200g以下の小型サイズは入荷順調、相場は弱含みで推移した。 |
スルメイカ・剣先イカ |
スルメイカは、青森県、岩手県産中心の入荷で、サイズ的には4㎏/20杯のサイズが少なく、4㎏/25~30杯の小型サイズが中心で、入荷は少なめで価格は3,000円/箱代前後で推移した。 |
貝類・ウニ |
ウニは、北海道産が不漁で入荷が少なく、相場は強かった。サザエも、各産地とも漁が良くなく、入荷少なめで相場は強含みだった。アサリ、シジミはどちらも入荷順調で相場は保合だった。 |
冷凍カレイ |
カラスガレイは、不漁と赤魚の不漁による着漁遅れの影響で全般的に搬入がタイトになっている。特に大型サイズの品薄感が強く、相場は強含みだった。 |
冷凍サバ・サワラ |
ノルウェー産のサバは、今年の大幅増枠が確定し、一部夏漁も始まっていますが、日本向けではないため様子を見ている状況です。価格は現時点では保合ですが、今年は増枠に加え、ロシアの禁輸措置の動向によっては価格が大幅に動くことも予想され、在庫ポジションの整理などがあるでしょう。国産サバも、ノルウエーの展開次第で価格に変化がありそうでうですが、今のところは真サバの漁期でないため価格は保合で推移しています。 |
冷凍エビ |
ブラックタイガーは、産地生産量の減少と、海外勢の仕事買いの影響で、産地価格が強含みになり、輸入価格に影響が出始めた。バナメイとの価格差が大きくなると売れなくなるため、価格がどこまで上昇するかは様子見ですが、年内は強含みの傾向になると予想します。バナメイは、6月までは産地・消費地とも弱含みでしたが、ある程度価格がこなれたことで注文が増え始め、下げ止まりから相場上昇に転じたようです。ヨーロッパやアメリカのクリスマス需要の注文時期のため、この時期からから価格が上がりだすのですが、例年に比べ高値のため、どこまで上がるか様子を見ている状況です。 |
ちりめん・煮干・丸干 |
ちりめんは、兵庫県産の北淡・岩屋などの淡路島産が主体ですが、サイズがちりめんからかえりちりめんサイズに大きくなりつつあります。 |
汐鮭・汐鯖 |
紅鮭は、沖紅鮭が安値で推移する中、ロシア産紅鮭なども影響を受け、相場は弱含みとなりました。来月には、アメリカ・カナダ産も入荷が始まるので、入荷量次第ですが、相場は弱含みと予想します。 |