鮮魚・冷凍魚・加工水産物の市況:平成26年 11月 市況情報
全般的に天候が悪く、時化の影響で天然魚の入荷量の増減が激しい一方、養殖魚は安定的な入荷でした。季節の変わり目で、入荷する魚も秋物から冬物に変わる時期な為、品目によっても入荷量の増減に大きな差がある状況でした。来月は、ブリ、牡蠣、トラフグなどの冬物商材中心の入荷になる見込みで、入荷は順調~やや少なめ、相場は前半は保合ですが、年末にかけては上げ相場になります。また年末に時化などで入荷量が激減すると相場は大幅に上がる可能性も有ります。
北方、南方凍魚とも、海外勢の買い付け攻勢や、漁獲高の減少、円安などの要因が重なり、入荷減少、相場強含みのままです。燃料価格の大幅下落などプラス要因も一部ありますが、価格が弱含むのはしばらくかかるでしょう。少なくとも旧正月が各地で終わるまではこの状況が続くと予想します。
輸入原料は、円安や買い負けなどの要因で、国内原料も燃料代などの高止まりや、不漁などの要因が重なり、どの業態も収益の出にくい状況です。更に、包材や運賃の上昇などの要因も重なり、値上げが続いていましたが、これからは原油の値下がりなどのいい要因も出てきているので、多少は期待できると予想します。
主要品目の市況
鮪(生・冷凍) |
生鮮品は、目鉢鮪中心の入荷で、産地はインドネシア産が中心でした。サイズは小型が多く、入荷順調、相場保合でした。冷凍品は、黄肌鮪中心の入荷で、産地は大西洋産、インド洋産が中心でした。入荷量は、産地、運搬船、独航船のいずれも手持ちが少なく、出荷量を絞っている為、入荷少なめ、相場強含みでした。来月は、生鮮品は11月と同じく入荷順調、相場保合ですが、年末は毎年恒例ですが相場は高騰します。冷凍品は、太平洋産の水揚げ予定もあり、数量は若干増える見込みですが、価格はそれほど下がらないと予想します。 |
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真鯛(天然・養殖) |
天然物は、11月は天候不良で時化が多く、入荷少なめ、相場は浜値が高く、消費地がついていけない状況でした。来月は、時化が多く、一方で需要期なため、入荷少なめ、相場強い~高騰で推移すると予想します。養殖物は、11月は入荷順調でしたが、天候不良や刺身物のシーズンを外れた為需要が弱く、相場弱含みでした。来月は、鍋物などでの需要が多く、入荷順調、相場保合で推移すると予想します。養殖真鯛は今年は価格も安価で販売しやすいです。ぜひ拡販下さい!! |
鯵、鯖 |
真鯖は、九州各地の漁は少なく、三陸、房総半島方面中心の入荷でした。サイズは、1箱4kg5~7入中心の入荷で、kg1200~800円、8~10入でkg700~500円中心の相場でした。鯵は、丸鯵の入荷が少なく、真鯵中心の入荷でした。サイズは、500~400gサイズの大型サイズ中心で、kg1700~1200円中心の相場で推移しました。来月は、どちらも天候や水温の加減で入荷減少、相場前半は保合、後半は強含みで推移すると予想します。 |
スルメイカ、剣先イカ |
スルメイカは、北海道、青森方面中心の入荷で、九州方面からは入荷少ない状況でした。4kg/20入サイズ中心の入荷で、入荷順調~やや少なめ、相場やや強含みでした。来月は今月よりも更に天候不良が多く、入荷は更に少なく、相場強めと予想します。剣先イカは、山口、長崎方面中心の入荷でしたが、入荷量は例年に比べて少なく、入荷少なめ、相場強く推移しました。来月は今月よりも更に天候不良が多く、入荷は更に少なく、相場強めと予想します。 |
貝類、うに |
うには、各産地とも漁獲少なく、相場強いため、殆ど入荷が有りませんでした。来月は更に厳しい状況が続くと予想します。牡蠣は、本格的なシーズンに入り、入荷量は増えてきましたが、生育が悪いのと、来年の種牡蠣が少なく減産が確定的なため、各産地とも浜値が強く、単価の折り合いがつきにくい状況です。来月以降もこの傾向が続きます。帆立はオホーツク海沿岸の漁獲が終了し、噴火湾、野付の出荷しかない為、入荷少なく、相場高騰でした。来月は需要期なため、相場は強く、春先までは厳しい状況が続くと予想します。 |
冷凍かれい |
カラスカレイは、相変わらずの円安と、海外勢の旺盛な買付攻勢に押されて、買い負け状態となっています。そのため、値上げをしないとコスト割れする為、価格の安いものは早急に買付することをおすすめします。円安傾向や、旧正月向けの需要が一段落しないと、燃料代のダウンだけではなかなかコストダウンにはなりきれず、しばらく高値が続くと予想します。 |
冷凍鯖、鰆 |
鯖は、ノルウェー産は漁期中にノルウェーの通貨クローネも米ドルも大幅に変動してしまい、おまけにロシアの経済制裁の影響もあって国内搬入が遅れています。豊漁の割にはコストが下がらず、600gUPの大型サイズは少ないという結果は変更は予想どおりでした、後は、国産のマサバがどこまで獲れるかにかかってきていると思われます。鰆は、在庫少なく新漁待ちですが、為替の影響で春物以上にコストアップは避けられない状況で、買いにくい状況が続くと思われます。 |
冷凍えび |
夏以降の暴走相場は一段落したものの、円安、生産量の減少、そしてこれから北半球は冬の為、生産は端境期に入る為、現状の相場が好転する要素は、来年の春までなさそうな状況です。新物が始まるまで現状の高値相場が続くと予想します。生食えびは、 ボタンエビが高値過ぎて売れなかった為か、価格は弱含みに。南蛮、アルゼンチンは年末までは強含みですが、年明け以降は在庫ポジション次第の展開と予想します。 |
ちりめん、煮干、丸干 |
国産ちりめんは、淡路周辺でも多少水揚げはあるものの、筋は大きく、その割にはkg2200~2000円で推移しています。そのほかの国産の在庫が少なく、輸入原料も原料不足の状態で、春先まで、この状況が続くと思われます。煮干は愛媛、香川県で水揚げがあり、kg1400~1000円中心で推移しています。 |
汐鮭、汐鯖 |
塩紅鮭は、沖紅鮭は、今年の新物は最初、下げ相場で推移していましたが、年末に向けて上げ相場に転じ、昨年並みにまで戻ってしまいました。汐鯖は、国産は原料待ちの為、各サイズとも強含みに、ノルウェー産は、価格は保合で推移してますが、大型サイズの8kg12、14尾は原料が少ない為、商品も少ない状況です。 |