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旬の食材

2014年12月の食材

2014年12月の食材【真鱈】

真鱈

説明

魚偏に雪と書くぐらい、冬になると漁獲されだす魚で、何でも食べる雑食性から”たらふく食う”の語源になった魚です。寒い海に棲む、白身の魚で、淡白で上品な味の身質なことから、世界各地でも昔から食され、漁業権をめぐって発砲事件(タラ戦争)まで起きる位、資源的にも重要な魚種でもあります。刺身にも出来る身質なのですが、身の水分量が80%以上と非常に多い為、鮮度劣化が非常に激しく、産地でないと食べることのできない逸品です。しかし、塩蔵すると日持ちする為、昔から塩蔵のフィーレ”塩だら”の形での流通が多く、また、北海道の稚内周辺で生産される、タラの干し物”棒鱈”は関西では、御節の定番として12月になると店頭に並びます。最近ではすでに調理したものも沢山流通しています。ヨーロッパでも、鱈は主要な魚種として、昔から漁獲されていて、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカでも沢山消費されています。真鱈はタラ目タラ科タラ属に属し、ご親戚には、すり身やたらこの原料として重要なスケトウダラ(介党鱈、助宗鱈)や、コマイ(氷下魚)などが日本では漁獲されています。

主産地

北緯34度以北の北太平洋とその周辺海域に分布しています。日本近海では、太平洋は茨城県沖から北側、日本海側では山口県から北側に生息し、水深200m前後の大陸棚の周辺や、その斜面の岩礁帯に生息します。どちらかというと、定住性が強く、岩礁帯に定住する高齢で太った鱈を”根鱈”、沖合で漁獲されるスマートな鱈を”沖鱈”と呼んでいます。太平洋沖の道東産が、身の締まりも良く美味なので”本場物”、日本海側のものは、味が落ちるので”場違い”と呼ばれていましたが、最近は漁獲が少なく、そのような区分もだんだんされなくなってきたようです。

選び方

切身は、白身の部分がきれいで特有の光沢がある、透明感があってみずみずしいものを選びましょう。鮮度が落ちるのが早く、生臭みの発生しやすい魚なので、すぐに加熱したり、塩を振って脱水する、冷凍するなど鮮度保持の作業が必要になります。オスの精巣”白子”もこれから出てきますが、できたら国産の冷凍をしてない真っ白なものを選んで買いましょう。赤っぽいのは成熟していないので、味はいまいちです。アメリカからの輸入(空輸)品はどうしても鮮度面に問題がありがちです。

料理法、食べ方

厳冬期の鱈が一番旨いです。鮮度の良いものは、昆布〆にして刺身で食べると更に美味しいです。また、白身の淡白な身なので、煮付け、フライ、塩焼き、蒸し物、ムニエル、粕汁、粕漬、鍋物、汁物などさまざまな料理に使えます。白子は、さっと湯通ししてから、ポン酢や三杯酢に薬味を添えて食べると美味で、また鍋物の具材としても美味です。また、これから出回る棒だらは、米のとぎ汁や水で数日かけて戻し、棒だらだけを煮付けにしたり、京野菜のえび芋と一緒に炊き合わせたりします。鱈の身は、加熱するとくずれやすく、また一方では、汁物などは加熱するほど旨くなるといいます。調理方法により加熱時間を調整するとおいしく食べられます。

協力:尼崎水産物卸協同組合
長谷川水産㈱ 長谷川 幸司





2014年12月の食材【数の子】

数の子

説明

鰊(にしん)の卵巣である数の子。昔から卵巣を乾燥させた”干し数の子”、塩漬けした”塩数の子”で流通しており、昭和30年までは3~5月頃に北海道沿岸に産卵の為、接岸、群来(くき)していたため、国産卵が主体で流通していましたが、30年以降ぱったりといなくなったため、ほとんどが輸入品となってしまいました。その後、湖沼に生息する鰊などで細々と漁獲されてきましたが、放流事業などの結果なのでしょうか、多少ですがまた北海道沿岸でも漁獲がされるようになりました。数の子の卵巣はもともと柔らかいものなのですが、塩漬けするとあのぽりぽりとした食感になる(理由は不明らしい)不思議な卵です。食感はそれ以外にも、産卵するまでの年数や、鰊の産地、産卵場所の環境などでも変わるようで、太平洋沿岸のカナダ、アメリカ産は好評価ですが、大西洋産は食用に適さないなどということも。

主産地

鰊は冷水系の魚で、0度~13度ぐらいの水温域に生息し、北氷洋から日本では利根川河口付近が生息域です。国産以外では、太平洋沿岸のアラスカ、カナダ沖で漁獲された鰊が原料になっています。獲れた鰊の卵を現地で取り出し塩蔵して出荷したり、日本に原魚のまま持ち込んで卵を取り出したり、最近では原魚を中国で加工して国内に搬入したりします。なお、子持ち昆布(数の子昆布)といわれる、昆布の上に卵が層をなして産み付けられているものは、アラスカやカナダの現地で、入り江に昆布を生育させ、その中に鰊を追い込んで産卵させ、その昆布を収穫し、出荷しているそうです。

選び方

出来たら塩数の子を買って家庭で塩抜き、味付けをして食べることをおすすめします。理由は、鮮度感の問題で、塩抜きをして食べられるようにすると、鮮度も同時に低下してしまう・・・そうです。関西では、国産、カナダ西海岸、アラスカ産、ロシア産とランク付けされています。輸入物では、カナダ産のほうが卵が若く、食感がいいのが理由です。塩数の子は、厚みがあって、粒がはっきりしていて、卵の黄色が鮮やかで、白い棒状の薄い皮がついているのが良いそうです。味付け数の子は、できたらメーカー物の素性がはっきりしたものが良いでしょう。メーカーぐらいしか選びようが無いのが実情です。

料理法、食べ方

塩数の子は、食べるためには塩抜きが必要です。塩分濃度が3~4%の海水かそれより少し濃い目の塩水で、4~6時間おきに2、3回塩水を取り替えながら塩抜きをして、薄皮を除去します。抜きすぎたら苦味が出ますので、塩分を抜きすぎた際には濃い目の塩水につけて数の子に塩分を戻してやります。関西ですと、昆布をきっちり使い、だしを引いて、醤油や塩を少し利かせた出汁につけて味付け数の子にするか、そのままかつお節をかけて食べるのがメジャーですね。飽きたら、からしマヨネーズや山葵マヨネーズで和えたり、明太子をばらして混ぜて食べたり、フライにするなどという食べ方も出来るようです。レシピはインターネットなどでもいろいろ載ってますので、ぜひチャレンジしてみて下さいね!

協力:尼崎水産物卸協同組合
長谷川水産㈱ 長谷川 幸司






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